商標記号(商標登録表示? ® ○アール TM SM)の必要性

[商標登録表示]

登録商標を使用する場合には、それが登録商標であることを示す表示をするように努めなければなりません(商標法第73条)。
この表示は、“登録商標第○○○○○号”のように、「登録商標」の文字及びその登録番号と決められています(商標法施行規則第17条)。

但し、表示するように努めれば良いだけで、無くても特に罰則はありません。
また、表示が無くても、他人による商標権の侵害があった場合には警告等の権利行使が可能です。この点、米国商標法が®といった表示を義務づけ、表示無き場合は侵害があっても損害賠償などの請求ができないように規定されているのと異なります。®はRegistered(登録された)の頭文字です。

[虚偽表示の禁止]

逆に、商標登録されていないのに商標登録表示やこれと紛らわしい表示を付することは、虚偽表示になるとして禁止されています(商標法第74条)。虚偽表示を行った場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されることになります(同第80条)。

尚、TMとかSMとかの記号もあります。TMはTrademark、SMはServicemarkの略でしてそれぞれ商品商標、役務商標を意味します。
しかし、これらについては日本国はもちろん、米国においても特に規定はありません。つまり義務も罰則もありません。

[商標登録表示のメリット]

商標権者といえども、商標権侵害を阻止するには警告、場合により提訴などが必要であり、予算化していない費用がかかります。
この点、自己の商品・役務やその広告に適正な商標登録表示を付するだけで、競業者が争いを恐れて自主的に紛らわしい表示を止めれば、それに超したことはないでしょう。

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