WIPO(国際事務局)からの請求書か?

当事務所を通じて商標の国際登録出願をした会社から電話があり、「国際出願した商標に関して英文書簡で請求書のようなものが外国の機関から送られてきたのですが、振り込む必要がありますか?」と聞かれました。

「振り込む必要は無いと思いますが、確認しますので念のため、こちらに転送してください。」と依頼し、転送されてきた英文書簡を見ると案の定、振込詐欺でした。

国際登録出願を受け付ける正規の機関は、スイスのジュネーブに在る国際事務局すなわちWORLD INTELLECTUAL PROPERTY ORGANIZATION(略称WIPO)でして、ロゴマークは下記のものです。

WIPO-MADRID-Logo

一方、今回送られてきたのは、スロバキア共和国にあるらしいWORLD PATENTS TRADEMARKS(WIPT)というところからでして、下記のロゴマークが使用されています。

WIPT-Logo

略称が一文字違いでロゴも紛らわしいですが、条約で認められた公的機関では全くありません。もちろん、振り込んだからと言って何の法的効果もありません。

商標にしろ特許にしろ、国際出願すると、あたかも正規の公的機関のように見せかけて出願人に振込を誘うような書簡が送られてきますので、ご注意ください。

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