日中韓の実用新案制度

実用新案というのは、日米欧中韓の五大特許庁のうち日中韓のみが有する珍しい制度ですが、互いに共通点もあれば、全く異なる点もあります。

日中二カ国と韓国とで大きく異なる点は、日本及び中国においては実用新案登録出願は、無審査で登録されるのに対して、韓国においては同国や日本を含む諸外国の特許と同じく実体審査にパスしたものだけが登録されるというところにあります。
また、韓国においては審査請求制度も採用されていて、出願から3年以内に審査請求しないと出願が取り下げと見なされてしまいます。かつての日本の実用新案制度も同様でした。

一方、日本と中国とでは、日本では権利行使等に際して無過失賠償責任が伴うのに対して、中国ではそのような責任が課せられない点で異なります。即ち、日本では侵害者に警告を発したり裁判で訴えたりした後、実用新案登録が無効になると、原則として相手方に損害を賠償しなければなりません。このため、権利行使に慎重にならざるを得ませんが、中国ではあまり躊躇することなく実用新案権に基づいて提訴することができます。

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