商標と商品・役務(サービス)の普通名称とは、どう違うのか?
と聞かれることがよくあります。
一言で表すとすれば、識別力の有無で相違します。
識別力とは、自分の商品・役務と他人のそれとを識別する機能を言います。
普通名称は、その商品・役務の一般的な名称であると意識されるに至っているものをいい、識別力を有しません。例えば、パソコンという商品に単にパソコンと名付けて販売されていた場合、価格がいくら安くても、安心して購入できないですね。
一方、そのパソコンにMateとかFMVとかVAIOとかの見聞きしたことのある標識が付されていれば、それらの標識に対応するメーカーを具体的に覚えていなかったり、あるいは最初から知らなくても、一応安心して購入できますね。
このMate、FMV、VAIOのように他のメーカーあるいは他のシリーズのパソコンと識別できる機能を有した名称、記号が商標となります。
尚、当初は識別力を有していても、商標登録していなかったために、あるいはせっかく商標登録しても他人の無断使用を放任し続けた結果、普通名称化する(商標法上は慣用商標と言います。)ことがありますので、注意してください。
例えば、エスカレータ、正宗、セロファンなどが、それに該当します。
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