特許:分割出願の要件と使い方

一つの特許出願に複数の発明が含まれている場合、その一部を分割して別の新たな特許出願とすることができます。そして、この新たな特許出願(分割出願)は、もとの特許出願(原出願)の時にしたものとみなされます。つまり、分割された発明の新規性・進歩性などの特許性は、分割時ではなく、原出願時を基準にして判断されます。

[分割出願できる者]
原出願の出願人のみです。たとえ発明者であっても出願人でなければ分割出願はできません。

[分割出願可能な時期]
次の通りです。
1.明細書等について補正可能な時→拒絶理由通知を受ける前、又は受けた後に意見書を提出する時など
2.特許査定を受けてから30日以内で特許権発生前
3.拒絶査定を受けてから3月以内

[分割可能な発明]
原出願の明細書に複数の発明が記載されている場合(特許請求の範囲に記載されていなくてもかまいません。)において、そのうちの一部です。

実務上、分割出願するのは次のような場合が挙げられます。
当初、原出願の請求の範囲に複数の請求項を設けていたところ、「出願の単一性が無い。」として拒絶理由通知を受けた場合。
原出願の請求項に記載の発明が拒絶理由通知を受けたので補正をしたいところだけれど、補正の内容的制限に違反して補正できない場合。
一部の発明だけでも早期に権利化したい場合。

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