共同発明の特許出願/誰を発明者にするか

発明には複数の人が関係しています。課題を提供する人、研究者、費用を出す人、測定する人、研究を手伝う人などです。
このうち、特許法上「発明者」とは、「発明」が技術的思想の創作である(特許法2条1項)ことから、技術的思想の創作に加担した者ということになります。従って、たとえ上司であったり、費用を負担したりしていても、それだけでは発明者になりません。

一般的には、
解決課題自体が新しい場合は、課題を提供した人、
課題を解決するための構想を考えついた人、
構想を具体化するために工夫をした人、
などは発明者と指定してよいでしょう。

しかし、誰が真の発明者であるかは、出願書類を見ただけでは審査官には判りませんので、特許出願の審査段階では問われません。
かといって、発明者でもない人を発明者として願書に記載した場合、真の発明者に訂正するには、出願中に真の発明者及び発明者として表示されている者全員の宣誓書と訂正理由書を添付して手続補正書を提出しなければなりません。発明者として表示されている者の一部が宣誓書を拒んだり、所在不明であったりすれば、訂正できなくなります。

また、一旦特許が付与された後は訂正する方法がありません。

特許発明が実施されて収益が上がってくると、願書に記載の発明者にその対価が分配されるでしょうから、出願時の発明者の認定は慎重に行うことをお勧めします。実用新案も同じです。

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