特許・実用新案・意匠:発明者・考案者・創作者の認定/決定

特許法上「発明者」とは、「発明」が技術的思想の創作である(特許法2条1項)ことから、技術的思想の創作に現実に加担した者ということになります。従って、たとえ上司であったり、費用を負担したり、単に測定したりしていても、それだけでは発明者になりません。
ただし、誰が真の発明者であるかは、出願書類を見ただけでは特許庁の審査官には判りませんので、特許出願の審査段階では問われません。

しかし、発明者でもない人を発明者として願書に記載した場合、何らかの事情で真の発明者に訂正するには、出願中に真の発明者及び発明者として表示されている者全員の宣誓書と訂正理由書を添付して手続補正書を提出しなければなりません。
発明者として表示されている者の一部が宣誓書を拒んだり、所在不明であったりすれば、訂正できなくなります。
また、一旦特許が付与された後は訂正する方法がありません。

そして、例えば、願書に発明者として記載された従業員から職務発明対価を請求する訴訟が提起されたところ、裁判所は「特許権者である使用者が発明者でないと主張することは信義に反して許されない。」と判断しています([平成18年(ネ)10035/平成19年3月29日知財高判])

よって、特許出願時の発明者の認定は慎重に行うことが望ましいです。実用新案登録出願における考案者や意匠登録出願における創作者も同様です。

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