危ない!「発明の新規性喪失の例外」

現行法では、新聞・雑誌等の刊行物による発表、学会・博覧会での発表、ホームページへの掲載、販売など、発明者自身の行為に起因して新規性を失った後であっても一定要件を充足すれば特許出願して権利化することができます。
しかし、この一定要件が大切であって、しかも誤解されている点も多々あるので、以下に留意すべき点を記します。

[新規性喪失の例外適用についての留意点]

  1. 決して出願日が発表等の日にさかのぼるわけではありません!
    従って、甲が発表した後、競業者の乙が別個に発明した同一の技術内容について甲よりも先に特許出願した場合には、甲の特許出願は乙の特許出願よりも後願であるという理由で拒絶されます。
    ちなみに同一発明であれば、乙の出願も甲の発表により拒絶されます。
    気をつけなければならないのは、甲が基本発明を発表した後、乙がその改良発明を出願した場合です。改良発明であれば特許される可能性があるからです。
  2. 通常、外国出願・国際出願には通用しません!
    この規定で例外が適用されるのは、日本の特許出願です。ほとんどの国では博覧会出品の場合を除き6ヶ月以内に出願しても優先権主張の有無に関わらず新規性喪失を理由に拒絶されます。
  3. 出願するまでに複数回発表したら、各発表について証明書を提出する必要があります。
    例えば、ある学会で発表した後、別の学会で発表したり、新聞で発表したりしたときは、それぞれ発表したことの証明書を提出する必要があります。提出した発表事実について例外としての適用が認められるに過ぎないからです。従って、6ヶ月の間に張り切って多数回発表した場合、一回でも証明書の提出を怠ると、その一回のせいで権利化できなくなります。
    ただし、提出書自体は、纏めて一通でかまいません。

よって、発明が完成したら、できる限り発表の前に特許出願することをお勧めします。実用新案も同じです。

 

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