商標の使用証明(商品・役務の数との関係)

1.使用証明が要求される趣旨
商標登録出願は、その商標を使用する商品・役務を指定して行うことと決められています。そして、商品・役務は、便宜上45の区分に分けられており、指定する商品・役務の及ぶ区分に応じて印紙代が増大していきます。
逆に、区分数が同じだと少なくとも印紙代は同額ですし、多くの特許事務所の手数料も同じであることから、出願人としては使用する予定のない商品・役務を含めて広範囲に指定しがちです。これは不使用の登録商標を増大させる原因となり、本気で使用を望む他人の商標の選択余地を狭めてしまいます。
そこで、2007年4月1日より、一定の場合には、原則として審査段階で使用又は使用意志の確認が行われることになりました。
以下に、使用証明又は使用意志の確認が必要とされないケース、及び必要とされるケースを列挙します。

2.審査段階で使用証明・意志確認が必要とされないケース
①各区分内で7以下の類似群にわたる商品・役務(小売りを除く)しか指定していない場合(区分自体は複数であってもOK)
②7以下の類似群にわたる類似関係にある小売り等役務しか指定していない場合
③上記の①と②の組み合わせ

3.審査段階で使用証明・意志確認が必要とされるケース
①各区分内で8以上(8を含む)の類似群にわたる商品・役務を指定している場合
②個人(=自然人)の出願であるにも係わらず総合小売り等役務を指定している場合
③法人の出願であっても総合小売り等役務を指定しており、職権調査の結果、出願人が当該役務を行っていると認められない場合
④類似関係にない複数の小売り等役務を指定している場合

4.証明書類
使用を証明する書類は例えばカタログ、新聞、店舗の写真、伝票、ホームページ、取引書類、公的機関等の証明書などです。使用意志を証明する書類は、使用意志を明記して捺印した文書及び事業計画書です。

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